【登辞林】(登記関連用語集)


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増価競売 平成16年4月1日に施行された民法の改正により「抵当権消滅請求」に改められる前の「滌除」の制度について存在していた手続きで、不動産の第三取得者が抵当権を消滅させるために申し出た金額を、抵当権者が承諾しない場合に申し立てる競売。滌除の通知から1ヶ月以内にこの競売を申し立てないと、第三取得者の申し出た金額を承諾したものとみなされた。この競売は、第三取得者が申し出た金額の一割増し以上の価格での買受人が現れない場合、抵当権者自らが、一割増し以上の価格で買い受けなければならなかった。

相銀住宅ローン(株) 破綻した住宅金融専門会社のひとつ。昭和47年7月18日設立。平成1年4月1日、総合住金(株)へ商号変更。

総合住金(株) 破綻した住宅金融専門会社のひとつ。昭和47年7月18日設立。平成1年4月1日、相銀住宅ローン(株)から商号変更。平成8年9月1日解散。平成10年7月1日、東京都千代田区霞が関三丁目7番1号から、東京都新宿区左門町6番地4へ本店移転。平成11年4月15日清算結了

総合ファイナンス(株) 昭和47年12月5日設立。昭和60年12月1日、住銀ファイナンス(株)へ商号変更。

総合保証(株) 昭和59年6月30日設立。昭和60年10月7日、東京都千代田区丸の内一丁目3番2号から、東京都千代田区平河町一丁目1番8号へ本店移転。昭和61年1月8日、住銀保証(株)へ商号変更。

総合リース(株) 昭和43年9月2日設立。昭和57年10月2日、住銀総合リース(株)へ商号変更。

相互銀行 相互銀行法(昭和26年法律第199号。平成5年廃止。)の規定に基づく金融機関。通常の銀行業務に加え、無尽から発展した、一定期間掛金を受け入れ、一定の時期に一定の金額を給付する、「相互掛金」を取り扱っていた。無尽会社から転換したものが多いが、相互銀行として設立されたものの他、他の金融機関から転換したものもある。金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和43年6月1日法律第86号)の規定に基づき、すべての相互銀行が、普通銀行に転換、または、普通銀行に吸収合併され、現在は存在しない。
相互銀行が普通銀行に転換後、根抵当権の極度額増額の登記をするには、必ずしも、債権の範囲の変更登記を要しない(登記研究508号172頁)。

相互銀行取引 相互銀行が存在した時期に、根抵当権の被担保債権債権の範囲の定め方として、登記することが認められていたもの。銀行取引よりも取引範囲が広いため、根抵当権の被担保債権の範囲を、「相互銀行取引 手形債権 小切手債権」から「銀行取引 手形債権 小切手債権」へ変更登記をする際の登記権利者は、設定者(物件の所有者)であり、登記義務者は、根抵当権者となる(登記研究432号128頁、497号141頁)。
相互銀行の普通銀行への転換に伴う根抵当権の債権の範囲として、転換後は、「相互銀行取引」を債権の範囲とすることはできず、転換前の「相互銀行取引」は、「銀行取引」及び転換前の相互掛金取引によって生じた債権を特定の債権として表示するか、又は、「相互銀行取引(年月日まで)」とするのが相当であり、転換前の「相互銀行取引」は、転換後の「銀行取引」によって生じた債権をも担保し、転換前の「相互銀行取引」のままで、「銀行取引」を債権の範囲とする追加担保の設定の登記はすることができない(登記研究494号121頁)。

相殺 債務者が債権者に対して債務を負担すると同時に、債務者も債権者に対して同種の債権を有する場合において、双方の債務が弁済期にあるときに、当事者の一方が相手方に対して意思表示をすることにより、その対当額につき債務を免れること。相殺の意思表示には、条件又は期限をつけることができず、相殺は、相殺に適する状態(相殺適状)になった時に遡って効力を生じる(民法第506条)。時効によって消滅した債権がその消滅前に相殺適状であった場合には、その債権者は、相殺をすることができる(民法第508条)。不法行為の加害者(損害賠償請求権の債務者)は、その債務につき、相殺をもって、不法行為の被害者(損害賠償請求権の債権者)に対抗することができない(民法第509条)が、被害者の方から、相殺を主張することはできる。
商法上、商人間又は商人と商人でない者との間で平常取引をする場合において、一定の期間内の取引から生ずる債権及び債務の総額について相殺をし、その残額の支払をすることを約することによってその効力を生ずる「交互計算」について規定されている(商法第529条〜第534条)。
破産債権者が破産手続開始の時において、破産者に債務を負担するときは、破産手続きによらず、相殺をすることができる(破産法第67条)。

相殺適状 相殺をしようとする債権が、相殺可能な要件を満たしている状態。二人が互いに相手方に対して同種の債権を有し、双方の債権が弁済期にあり、相殺が可能な性質の債権であることを要する(民法第505条)。自己の債権が時効により消滅していても、消滅以前に相殺適状であった場合は、相殺することができる(民法第508条)。

相続

相続欠格 被相続人に対して、不正な行為(欠格事由)をして、法律上当然に一切の相続人としての資格を失うこと。被相続人の意思によらない。
欠格事由は以下のとおりとされる(民法第891条)。
1.故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡させ、又は死亡させようとしたために、刑に処せられた者
2.被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。(その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときを除く。)
3.詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
4.詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
5.相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

相続財産管理人 (1)相続人の存否が明らかでない場合、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所により選任された者で、相続財産の管理、保存行為の他、家庭裁判所の許可を得て、処分行為を行うことができる(民法第951条、第952条第1項、第953条、第28条、第103条)。(→不在者財産管理人
(2)数人の相続人があり、相続人全員が共同して限定承認をした場合に、家庭裁判所が相続人の中から選任する相続財産の管理人(民法第936条1項、家事審判規則第116条)。

相続財産法人 相続人の存否が明らかでない場合に、民法により法人と擬制された相続財産(民法951条)。相続人の存在が明らかになれば、法人は成立しなかったとみなされ(民法955条)、相続人が現れなければ、清算を行う。残余財産がある場合、特別縁故者が存在すれば、その者に分与し、存在しなければ国庫に帰属し、法人は消滅する。
相続人の存否が明らかでない不動産について、相続財産管理人を選任することなく、当該不動産の登記名義人たる被相続人の債権者が、競売申立受理証明を代位原因を証する書面として、債権者代位による、不動産の登記名義人の表示を相続財産法人とする登記を申請することができる(登記研究質疑応答7860)。

相続人

相続放棄 被相続人にかかる権利・義務、財産・負債の一切を相続しないとする意思表示。自己についての相続の開始を知ったときから3ヶ月以内(熟慮期間)に家庭裁判所に申し出ることを要する。一度放棄をすると、原則、熟慮期間内でも撤回できず、その者は初めから相続人とならなかったものとみなされる。相続放棄は、被相続人が債務超過であるために利用される例が多いようであるが、財産の分散を防ぐために利用されることもあり、これに関しては、遺産分割協議をすることで同様の目的を達することができる。(→単純承認)(→限定承認

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