【登辞林】(登記関連用語集)


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任意規定 公の秩序に関しない法律の規定で、当事者の意思が明確でない場合などに補充的に適用されるもの。法律行為の当事者が任意規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従うこととされ(民法第91条)、任意規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従うとされる(民法第92条)。(→強行規定

任意後見 任意後見契約に関する法律(平成11年12月8日法律第150号)に基づき、予め、本人が受任者に対し、精神上の障害により判断能力が不十分な状況における自己の生活、療養看護、財産管理に関する事務の全部又は一部を委託し、その事務にかかる代理権を付与する契約を締結することにより、本人の保護を図る制度。(→法定後見

任意後見監督人 任意後見制度における後見人を監督する者。任意後見契約は、家庭裁判所により、任意後見監督人が選任された時から効力を生じる。

任意後見契約 本人が、受任者に対し、精神上の障害により判断能力が不十分な状況における自己の生活、療養看護、財産管理に関する事務の全部又は一部を委託し、その事務について代理権を付与する委任契約。この契約には、任意後見監督人が選任された時から効力を生ずる旨の定めがあることを要する。(→公証人

任意後見人 任意後見監督人が選任され、任意後見契約が効力を生じた後における、その契約の受任者。

任意整理 約定どおりの返済が困難となった場合に、裁判所を介在させず、債権者・債務者間の協議により、債務を圧縮し、新たに返済の約定を締結する手続。弾力的な解決が可能であるが、反面、同意をしない債権者に対する強制力はないので、債権者の同意が得られなければならない。

任意代位 弁済をすることについて、正当な利益を有する者でない者が、債権者の承諾を得ることにより、債権者に代位するもの。任意代位の場合には、債権譲渡に準じて取り扱われ、債権者が債務者に通知しまたは債務者がこれを承諾することを要し、その通知または承諾は、確定日付ある証書によってしなければ、これを債務者以外の第三者に対抗することができない(民法第499条第2項、第467条)。(→法定代位

任意認知 認知のうち、認知をしようとする父が自ら行うもの。戸籍法(昭和22年12月22日法律第224号)の定めるところによる届け出る方法の他、遺言によってもすることができる。(→強制認知

任意売却 担保不動産競売強制競売など、売却につき、裁判所が直接関与する手続きを選択し得る状況にある物件について、裁判所が直接関与する手続きによることなく、当事者間で行う売却手続き。
破産管財人が、不動産に関する物権、登記船舶等の任意売却をするには、裁判所の許可を得なければならない(破産法第78条第2項第1号)。
破産管財人が不動産を任意売却した場合の所有権移転登記申請においては、次の書面の添付を要する。
1.裁判所書記官により交付される破産管財人の選任を証する書面(破産規則第23条第3項)、又は、破産者が法人である場合には法人の登記事項証明書(破産法第257条第2項参照)
2.裁判所書記官により交付される破産管財人の選任を証する書面に破産管財人の印鑑を証明した旨を記載したもの(破産規則23条4項)(なお、この証明書については、作成後3ヶ月以内であることを要しないと考えられている(登記研究709号199頁))、又は、破産管財人の市区町村発行の印鑑証明書(不動産登記令第16条第2項、第18条第2項)
3.裁判所の許可書(不動産登記令第7条第1項第5号ハ)
破産管財人が不動産を任意売却した場合の所有権移転登記申請においては、登記済証、又は、登記識別情報の添付を要しない(昭和34年5月12日民甲第929号民事局長通達、登記研究139号43頁)。

認可主義 法人設立の考え方の一つで、法律の定める要件を満たし、主務官庁の認可又は認証をうけることにより成立するもの。許可主義と異なり、要件を満たせば、主務官庁は、認可をしなければならない。学校法人、社会福祉法人宗教法人医療法人農業協同組合、土地改良区、認可地縁団体(地縁による団体)等が該当する。(→特許主義)(→強制主義)(→準則主義

認知 婚姻していない男女の間に生まれた子とその父に法律上の親子関係を生じさせる制度。認知をしようとする父が自ら行う「任意認知」と、裁判手続きによる「強制認知」がある。認知をするには、認知をしようとする父が、未成年者又は成年被後見人であっても、親権者や、後見人の同意を要しない。認知をされる子が成年者の場合はその子の、胎児を認知する場合は母の承諾がそれぞれ必要であり、死亡した子を認知する場合はその子に直系卑属がいる場合にのみ認められ、その直系卑属が成年者の場合はその直系卑属の承諾も必要である。認知は取り消すことが出来ない。認知の効力は認知される子の出生に遡るが、第三者がすでに取得した権利を害することは出来ない。

認知準正 父母が婚姻をした後に父が認知をすることにより、非嫡出子嫡出子の身分を取得すること。条文上(民法789条2項)は、認知のときから嫡出子の身分を取得すると規定されているが、婚姻時に効力が発生するというのが通説である。(→婚姻準正

認知の訴え 婚姻していない男女の間に生まれた子とその父に法律上の親子関係を生じさせるために提起する訴え。この訴えを提起することが出来るのは、子、その直系卑属又はその法定代理人であり、父又は母の死亡日から3年を経過すると提起することができなくなる。

認定司法書士

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