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内縁 婚姻届はしていないが、事実上婚姻状態にある男女。内縁は婚姻の予約であるとする判例も存在するが、婚姻に準ずる関係(準婚)であるとする説が有力である。婚姻障害があっても、内縁は認められる。子供が生まれても嫡出の推定を受けない。内縁関係にある者はお互いに相続人となることはできないが、内縁の相手方に相続人がいない場合、家庭裁判所の審判により、特別縁故者として、相続財産の分与を受けることができる場合がある。夫婦の同居協力扶助義務や貞操義務、内縁の解消時の財産分与等、婚姻の規定が類推適用される場合がある。内縁関係にある者は、住居の賃借人が相続人なくして死亡した時、賃貸人に反対の意思を表示した場合を除き、賃借人の権利義務を承継する。(借地借家法(平成3年10月4日法律第90号)36条)。健康保険法(大正11年4月22日法律第70号)における「被扶養者」の配偶者には、内縁関係にある者を含むとされている。
内閣 立法権、行政権、司法権の三権のうち、行政を担う国の機関で、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織され、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う(日本国憲法65条、66条1項、3項、内閣法(昭和22年1月16日法律第5号)2条1項)。内閣は最高裁判所の長たる裁判官を指名する(日本国憲法6条2項)。内閣は一般行政事務の他、法律の執行、国務の総理、外交関係の処理、条約の締結、予算を作成し国会に提出すること、大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること等の事務を行う(日本国憲法73条)。
内閣総理大臣 内閣の首長である最高位の国務大臣(内閣府設置法(平成11年7月16日法律第89号)6条1項)。内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の指名に基づき天皇により任命される(日本国憲法6条1項、67条1項)。「首相(しゅしょう)」は、内閣総理大臣の通称。
内閣府 内閣におかれる行政機関(内閣府設置法(平成11年7月16日法律第89号)2条)。内閣府は、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とする(内閣府設置法3条1項)。内閣府は、内閣総理大臣を長とし、副大臣3人、大臣政務官3人、事務次官1人が置かれる(内閣府設置法13条〜15条)。さらに、内閣府には、内閣官房が置かれ、内閣官房には、内閣官房長官1人、内閣官房副長官3人等が置かれる(内閣法(昭和22年1月16日法律第5号)12条以下)。この他、内閣府には、内部部局とし沖縄総合事務局、外局として、公正取引委員会、国家公安委員会、金融庁、消費者庁が置かれ、宮内庁は内閣府に置かれるものとされる(内閣府設置法43条1項、48条1項、64条)。
内国郵便約款 郵便法(昭和22年12月12日法律第165号)67条、68条の規定に基づき郵便事業(株)が定めた約款。国内における郵便の役務は、原則、この約款に基づいて提供され、この約款に定めのない事項については、法令又は一般の慣習による。
内容証明郵便 いつ、誰が、誰に、どのような内容の文書を差し出したかを郵便事業(株)が証明する郵便。内容証明郵便を用いることにより、後日、紛争が生じた際の立証が容易となる。書留郵便でなければならず、また、通常、到達をも証明するために、配達証明付きとする。差出の方式は、郵便窓口に同じ内容の文書を3通提出する。用紙の大きさ、記載用具を問わず、コピーにより作成しても良い。1枚当たりの字数・行数には制限があり、a.縦書きの場合、1行20字以内、1枚26行以内、b.横書きの場合、1行13字以内、1枚40行以内、c.横書きの場合、1行26字以内、1枚20行以内で作成する。記号も1文字と数える。原則、押印は必要ないが、訂正印や、文書が複数枚にわたる際の契印は必要。郵政民営化前は、郵便規則(昭和22年12月29日逓信省令第34号)に規定があったが、郵政民営化後は、郵便事業(株)の内国郵便約款に規定がある。すべての事業所で取り扱っているわけではないので、事前に確認が必要。差出事業所による謄本の保存期間は5年間。インターネットを利用する電子内容証明郵便のサービスも提供されている。
中点(なかてん) カタカナ言葉の区切りに用いたり、単語と単語をつなぐ為に用いたりする。単語と単語をつなぐ場合は、「及び」の意味で用いられ、「、」(てん)での接続よりも、小さい接続の意味で用いられることが多い。商業登記において、商号の字句を区切るために使用することができる。「中黒(なかぐろ)」とも言う。
何区何番事項証明書 不動産の登記事項証明書のうち、権利部の記録の請求にかかる部分を証明したもの。甲区又は乙区の特定の順位番号の記載事項を証明しているにすぎないため、権利の処分や変更、又は、権利に対する制限が確認できない恐れがある。不動産の共有者が多数である等、全部事項証明書を取得すると、枚数及び費用が過大になる場合に利用される。
名寄帳(なよせちょう) 固定資産課税台帳を基に、市町村に作成が義務付けられる、所有者ごとの土地又は家屋の一覧で、「土地名寄帳」と「家屋名寄帳」とがある(地方税法387条1項)。
(株)奈良銀行 奈良市下三条町8番地。昭和28年3月16日設立。平成1年4月1日、(株)三栄相互銀行から商号変更。平成18年1月4日、(株)りそな銀行に合併し解散。
並びに また。〜と〜。法律用語では、「及び」は小さいくくりの接続に、「並びに」は大きいくくりの接続に用いられる。
縄縮み 登記地積が土地現況面積より大きいこと。登記簿の地積が測量された当時の測量精度の低さや測量方法の違いから生じたものもあるが、農地の地主などが、地租を多く収めても、小作料をそれ以上に徴収することなどの理由で故意に生じさせたものもある。(→縄伸び)
縄伸び 土地の実測面積よりも登記地積が小さいこと。登記簿の地積は、測量がなされないまま現在に至り、旧土地台帳の地積を移記しただけのものが少なからず残っているが、それらの多くは、明治時代の地租改正の測量成果が延々と引き継がれたものであるといわれている。そのため、当時の測量精度が低かったこと、経験のない一般町村民による測量であったこと、地租を安くするために伸びた検地用の縄(間縄)を使用するなどして地積を小さくなるように操作したこと等から生じた現象。(→縄縮み)
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