[ほ]
法定解除 法律の規定によって当事者の一方が解除権を有する場合の解除。債務不履行に基づく解除(民法第541条〜第543条)、売主の担保責任に基づく解除(民法第561条以下)等がある。(→約定解除)(→合意解除)
法定果実 法律上の果実のうち、家賃や利息等、物の使用の対価として受けるべき金銭その他の物(民法第88条第2項)。法定果実は、これを収取する権利の存続期間に応じて、日割計算によりこれを取得する(民法第89条第2項)。(→天然果実)
法定共用部分 構造上区分された数個の部分のある一棟の建物における共用部分のうち、構造上又は性質上共用部分となるもの。数個の専有部分に通ずる廊下、階段室等構造上区分所有者の全員又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならない(建物の区分所有等に関する法律第4条第1項)。エントランス、廊下、階段、エレベーター、天井、壁、バルコニー等。(→規約共用部分)
法定後見 未成年者に親権を行う者がいない場合等に開始する、未成年者保護のための「未成年後見」、及び、本人が判断能力を欠いている、もしくは、本人の判断能力が不十分である場合に、家庭裁判所が、本人に代わってに法律行為を行い、又は、本人による法律行為を援助する者を選任することにより、本人を保護する「成年後見」の制度。「成年後見」には、本人の判断能力の程度に応じて、「後見」「保佐「」補助」の制度が存在する。(→任意後見)
法定公告 株主や債権者等に一定の重要事実を周知させるため、法律により、公告をすることを義務付けられたもの。決算公告、株券提供公告、基準日設定公告、合併公告、資本金の額の減少公告、解散公告等。各規定にその方法、時期等が定められている。
法定財産制 夫婦の財産関係について、婚姻の前に別段の契約(夫婦財産契約)をしなかった場合に適用される民法の規定(民法第755条)。婚姻から生じる費用(婚姻費用)の分担、日常の家事に関する債務の連帯責任、夫婦間の財産の帰属が規定されている(民法第760条〜第762条)。夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、原則、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う(民法第761条)。夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その固有の財産とされ、夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定される(民法第762条)。
法定充当 債務者が同一の債権者に対して同種の給付を目的とする数個の債務を負担し、弁済として提供した給付がすべての債務を消滅させるのに足りず、どの債務に弁済を充当すべきかを弁済者も弁済を受領する者も指定しない場合に、民法第489条の規定に従ってされる充当。
1.債務の中に弁済期にあるものと弁済期にないものとがあるときは、弁済期にあるものに先に、
2.すべての債務が弁済期にあるとき、又は弁済期にないときは、債務者のために弁済の利益が多いものに先に、
3.債務者のために弁済の利益が相等しいときは、弁済期が先に到来したもの又は先に到来すべきものに先に、
4. 2及び3に掲げる事項が相等しい債務の弁済は、各債務の額に応じて充当する。
元本のほか利息及び費用を支払うべき場合においては、費用、利息、元本に充当しなければならないのであるが、この場合も同様である(民法491条)。これは、費用、利息、元本それぞれの相互間で489条が適用されるという趣旨であり、甲債権の利息より先に、乙債権の元本に充当するということは、例え、弁済者に利益であっても認められない。(→弁済充当)
法定代位 弁済をすることについて正当な利益を有する者は、弁済により、当然に債権者に代位するとされるもの(民法第500条)。保証人、物上保証人、抵当不動産の第三取得者等は弁済をすることについて正当な利益を有するとされ、連帯債務者も自己の負担部分を超える部分につき、代位することができる。(→任意代位)(→代位弁済)
法定代理人 法律の規定により代理権を与えられた者。本人が単独で有効且つ確定的な法律行為を行えない制限行為能力者の場合に、本人に代わって法律行為を行う。民法上、親権者、後見人、相続財産管理人、不在者財産管理人等が挙げられる。
法定単純承認 自己に開始した被相続人の相続について、一定の場合に、単純承認をしたとみなされること。一定の場合として、次のものが規定されている(民法第921条)。
1.相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び民法第602条に定める期間を超えない短期賃貸借をする場合を除く。
2.相続人が自己に相続があったことを知った時から3ヶ月以内(熟慮期間)に限定承認又は相続放棄をしなかったとき。
3. 相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、自己のためにこれを消費し、又は故意にこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、相続人が相続の放棄をしたことにより他の者が相続人となり、当該他の相続人が相続の承認をした場合を除く。
法定地上権 抵当権の実行や強制競売がされた場合に、土地上の建物等の当該土地に対する利用権を確保するため、法律上当然に発生する地上権(民法第388条、民事執行法第81条、立木ニ関スル法律(明治42年4月5日法律第22号)第5条、工場抵当法(明治38年3月13日法律第54号)第16条第1項、鉱業抵当法(明治38年3月13日法律第55号)第3条、国税徴収法(昭和34年4月20日法律第147号)第127条)。
民法に定める法定地上権は、抵当権設定当時、土地及びその土地上の建物が同一の所有者に属し、その土地又は建物につき抵当権が設定され、その実行により所有者を異にするに至った場合に成立する。
法テラス 総合法律支援法(平成16年6月2日法律第74号)に基づき、裁判その他の法による紛争解決の制度の利用をより容易にし、弁護士及び隣接法律専門家のサービスをより身近に受けられるような支援の実施及び体制の整備のため設立された「日本司法支援センター」の愛称。
Copyright (c) 2008 Global Legal Office All Rights Reserved